今回は『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』の書評をしていきます。
本書は、会社に勤めながら副業的に起業を目指す方に向けて、売上ステージごとの思考と行動をわかりやすく解説した一冊です。副業からの起業を「現実的にやっていく方法」が丁寧にまとめられており、これから行動を始めたい方にとっての道しるべとなる内容です。
書籍紹介

書籍名 | 会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法 |
著者 | 新井 一 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
発売日 | 2025年3月 |
概要
本書は、会社員として働きながら「月30万円」の副収入を目指す起業のステップを段階的に解説したガイドブックです。起業といっても派手な事業立ち上げではなく、まずは自分の力で少額でも収益を上げてみることからスタートし、売上0円から30万円に至るまでの各フェーズごとに「思考」と「実務」の両面からアドバイスがなされています。
特徴的なのは、起業を「長距離走」ととらえ、やる気満々で勢いだけで突き進むことの危うさを冒頭から指摘している点です。モチベーションの波、リソースの制約、自己理解の重要性、そして仕組み作りの実践に至るまで、著者自身の経験や6万人に及ぶ起業支援の知見が詰め込まれています。
「副業的起業」というリアルな立ち位置だからこそ、多くの人が抱える不安や悩みを丁寧に拾い上げ、等身大で読者に寄り添ってくれる一冊となっています。
本書を読むことで得られること
- 最小限のリスクで始める手順がわかる
「やる気満々は失敗のもと」と説き、冷静なスタートの重要性を教えてくれる - 起業に対する現実的な思考を身につけられる
情報収集のしすぎや「好きなことでなければダメ」という思い込みの危険性を解説 - 継続可能なビジネスモデルの立て方が学べる
売上フェーズごとに、自分に合ったアイデアや条件を明確にする方法が紹介されている - 最小限のリスクで始める手順がわかる
初期投資を抑えたビジネス選びや、SNS・銀行口座などの最低限の準備項目を整理 - 仕組み化と自動化による時間の生み出し方が理解できる
30万円の壁を越えるためのサブスク化・コピー化・自動化といった応用戦略にも触れている
本書を読んだ感想
起業本というと、夢や希望を語るばかりで実態に乏しい印象を持ちがちですが、本書はその真逆。会社員としての生活をベースにした、実にリアルで実践的なアプローチが好印象でした。印象的だったのは、「起業はやる気満々だと失敗する」という警句。副業にしても何にしても、やる気と行動はワンセットに語られがちですが、それがむしろ継続を妨げるという指摘にはハッとさせられました。
また、情報過多の現代で「捨てるべき情報」の見極め方や、自分のセンスに気づくための問いかけなど、自分の中にあるリソースを再発見するためのヒントが多く、読みながら何度も立ち止まって自分に照らし合わせました。
著者の等身大の語り口と、「派手さ」よりも「淡々とした継続」を重視する姿勢が、多くの読者にとって安心感を与えるのではないかと思います。派手に稼ぐことより、まずは一歩を着実に踏み出したい人にとって、本当に心強いパートナーになる本です。
本書の評価
★★★★☆
起業本としては非常に実用的でありながら、読者の心理的ハードルにも丁寧に寄り添っている点が高評価です。起業経験がない人にもわかりやすく、かつ再現性のある内容にまとまっており、信頼して読み進められます。もう少し実際の事例が豊富であれば★5つだったかもしれません。
本書がおすすめな人
- 起業に興味があるが何から始めればいいかわからない人
ステージ別にやるべきことが整理されており、初動の道筋が見える - 本業が忙しく、副業に不安がある会社員
時間やリソースの限界を前提にしたアドバイスが多く、現実的に取り組める - モチベーションが続かずに挫折してしまった経験がある人
継続可能な目標設定や思考の整理術が身につく - 起業に過度な幻想を抱いている人
起業の「地味さ」や「厳しさ」を丁寧に伝え、期待値の調整ができる - 将来的に独立したいと考えている人
今できることから少しずつ積み上げていくプロセスを学べる
まとめ
『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』は、起業というとてつもなく遠い目標を、手の届く現実としてとらえ直させてくれる一冊です。「やる気よりも、継続可能な簡単なことから始める」──この姿勢は起業に限らず、何かを始めたいすべての人にとって大切な視点ではないでしょうか。すぐに大きな成果を求めず、まずは30分でできることから。そんな地に足のついた一歩を踏み出すためのガイドとして、ぜひおすすめしたい一冊です。
電子書籍を読むならAmazon Kindle Unlimitedがおすすめ

Kindle Unlimitedとは、Amazonが提供する電子書籍読み放題サービスです。
Kindle Unlimitedの料金は、月額980円(税込)で利用でき、30日間の無料お試し期間があります。技術書であれば、1冊1,000円以上する本が多いため、1冊読むだけで月額料金の元を取ることができます。

さらには500万冊以上の電子書籍が読み放題です。初回30日間は無料体験があるので合わなかったら無料期間中に退会してしまいましょう。
移動中や作業中に読書するならAudibleがおすすめ

Audibleは、Amazonが提供するオーディオブックおよびオーディオコンテンツの配信サービスです。
書籍の朗読版(オーディオブック)や、ポッドキャスト、オリジナルの音声コンテンツをスマートフォンやタブレット、PCなどで聴くことができます。本を読む時間が取れない場合でも、通勤中や家事をしながら本を「聞く」ことができる。

Audibleの料金は、月額1500円(税込)で利用でき、30日間の無料お試し期間があります。サービスをお試しで使ってみて、合わなかったら無料期間中に退会してしまいましょう。